

「ふぎゃっ」
背中にぶつかってきた柔らかい感触にエイザが振り返ってみると、
そこには鼻を押さえた褐色の肌の少女がいました。
「大丈夫?」
「ふぁ、ふぁい、平気です・・・」
鼻を押さえているせいか、珍妙な声で答える少女に少し笑って、
エイザはその頭をポンポンと撫でてあげます。
「クリスマスだからってはしゃぎすぎて怪我したりしないようにね」
今日はクリスマス当日。
現在は旅人として仲間とセルフォリーフを旅しているエイザですが、
祭りを見るためにスティルフの街に立ち寄っていました。
「ふぁ……あぅ、ありがとうございます」
「どういたしまして。それじゃあ、メリークリスマス」
手を小さく振ってお別れ、と、エイザは少女に背を向けました。
ですが、そこで予想外の待ったがかかったのです。
「あのっ、もしかして、あなたも旅人さんですか?」
「ん……あー、うん。今はそうだね」
その前は別のことをしてたんだけど、と思いながらエイザが答えると
少女は嬉しそうに両手を合わせてこう言いました。
「それじゃ、ちょっとだけ手伝ってもらえないでしょうか?」
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