
カーンカーンと音を鳴らして、キータは石を叩いていました。
場所は閉め切ったテントの中。
石で組んだカマドで燃える炎で中は蒸すほどの暑さになり、
キータはぐっしょりと汗を流していました。
ですが、外の冷たい空気に材料を晒せば、
熱せられた材料が冷えて歪みができてしまうのです。
「……ふぅ」
キータは額の汗をぬぐいながら、黙々と石を叩きます。
石の名前は“轟石”。
お客様から頂いた貴重な武器の材料です。
しかも、この材料は、まだ武器にしたときの
付与効果が判明していない、未知の材料なのでした。
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