2011年11月02日

キータ:五回目A


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「私の名前は金床マン!」
「かなとこマン!?」

キータが鍛冶道具の手入れをしてたら、金床に立派な手足が生えてなんか喋りだしました。

「ちなみに、金床とは金属加工をするときの作業台のことを言う!
平らな部分で金属を伸ばし、尖った部分で曲線加工をするのだ!」

それはもう見事な自己紹介です。

「は、ははーっ! ありがたやー!!」

いつもトンテンカンテン叩いてるキータも思わず平伏です。

「感謝の意は、これから遊びにやってくるであろうモモちゃんに
現金をもって返すがよい! 100PSくらいで!!」
「ええー!? 100PSもっ!!」

なんだかやけに特定の個人を優遇する金床マンでした。



―――――――――――――――――――<本文続き>―――――――――――――――――



「なんでやねん」
「アイタッ! なんやー、ちょっとしたお茶目さんやーん」

少し離れた木の影から、見覚えある二人組が出てきました。

千手という種族のセンさんと、千束という種族のモモさんです。
この二人は、それぞれちがう種族だけど兄妹で、いつも一緒です。

「あ、お二人とも、こんにちはー」

キータは、街中でぶつかったことがきっかけで、この二人とちょっとした知り合いになっていたのです。

「いやぁ、ウチのアホ子がすまんなぁ」
「なんやー、キータちゃんかて分かってて乗ってくれたんやろ?」

そんな言葉をかける二人に、キータはこう答えます。

「あっ、それより見てください! たった今、わたしの金床が突然
金床マンになっちゃったんですよ!」

話の流れから二人が原因なのに、全然分かってないのでした。

「いや、おかしいって気付けや」

思わずモモさんも素でツッコミを入れるというものです。





センさんの種族は、腕が体に生えていない代わりに、どこにでも腕を生やすことができます。
モモさんの種族は、脚が体に生えていない代わりに、どこにでも脚を生やすことができます。

金床マンは、金床に二人が手足をくっつけただけだけなのです。

「え、でも、金床マン喋ってましたよ!?」
「それはウチが声あてとっただけや」

割とあからさまだったのに気付かないキータもどうかと思います。

「わー、すごいですね! まるで生きてるみたいでした!!」
「手足は生きとるわけやしなー」

セルフォリータには不思議な種族がたくさんいるのです。
毎日が驚きの連続で、キータはただただ感心するばかりでした。

「ちなみに、生やす数を増やして……こんなのもできるで」
「わっ!」

ケンタウロス金床マン。脚が四本なので安定性は抜群です。
(ちなみに増えてるのはセンさんの腕です)

「そんで、こっちも」
「わわっ!?」

阿修羅金床マン。手が六本あるので阿修羅バスターが可能です。

「…………アシュラばすたーってなんですか?」
「なんや、試してみるか?」

なんか六本ある手を前に出してジリジリ迫ってくる金床マン。

「え、遠慮します! 知らなくていいですっ!!」

焦りながらジリジリと後退するキータ、じわじわと迫る金床マン。


数秒後、平原にフィニッシュホールドが決まったっぽいすごい音と、
「ウギャア、キン肉マ〜ン!」という悲鳴が木霊したのでした。



ゲストさん:千手さん/千束さん

posted by りの at 16:46| Comment(0) | キータの日記
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