１３回目日記に続きます（十二回目�A）

「おおおおおおおお、この甘いのはいったい……！？」
「それはもういいですから……」

天から光が降ってくるほど感動してるキータを止めるメリムさん。
ほっとくと昇天して魂が上の方にいっちゃうので大変です。

「それは、チョコレートっていうんですよ」
「ちょこれーと！？」
「もうすぐバレンタインデイですから、ちょっと買ってみたんです」
「ばれんたいんでい！？」

甘いものに脳をやられてちょっぴり頭が悪くなってるキータでした。


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キータと女王さま（十二回目�@）

「お嬢ちゃん、その剣は受けとれんぞ」
「…………え」

武器の納入の日。
自信作の剣を手渡そうとしたキータに、依頼主のシンクレアさんは、
厳しい顔つきを向けてそう言いました。

「どうして、ですか？」
「ふむ。作ってて変に思わなかったかい？」

突然の受け取り拒否に驚くキータに、シンクレアさんは溜息一つ。

「武器の仕様書を読み違えたのかね？
　私が頼んだのは斬撃武器だよ」
「……あ」

その一言で、キータが自分のミスを理解するには十分でした。
シンクレアさんが仕様書までつけて発注した剣・十一式制式大剣を
キータは刺撃用の武器として作ってしまったのです。

「わたしの、作成ミス……です」

キータは、取り返しのつかないことをしてしまったのでした。



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十一回目の更新の話

実はあのあと龍之介さんパーティーと練習試合でした。

龍之介さんらしきお姿を小鳥さんの過去絵で発見。心配してくれた皆さんやさしい。


というわけで無事に宣言ができたので、１１回更新の雑感などでもー

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パナドさんと香水（十一回目�D）

「どうぞっ、嗅いでみてくださいっ！」
「へぇ、どれどれ――」

えっへんと胸をそらして目を閉じるキータ。
楽しそうに目を細めながら、鼻先をそっと近づけるパナドさん。

いったい二人が何をしているのかというと、話は少し遡ります。

「やぁキータちゃん」
「あ、パナドさん！　こんにちは！！」

ふらりとキータのキャンプ地に立ち寄ったパナドさん。
ちょうどその時、キータは旅の途中で知り合ったお姉さんに調合
して貰った香水を試しているところだったのです。

「あのですね！　実は今、香水をつけてまして――」

そんなことがあってから、冒頭のシーンに繋がるのでした。



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取引でＰＳのやりとりするとテンション上がりません？（十一回目�C）

「そうねぇ、ＰＳを代価に貰えるなら引き受けてもいいわよー」
「ＰＳですか！？」

今日はお客様なキータ。
お目当ての付加のお仕事を引き受けてもらう人を見つけたものの
『引き受けるにはお金が必要』と言われてしまって大弱りです。

キータが見つけた付加職人、獣人の占い師さんであるアリーさんは
申し訳なさそうに耳をペタンと垂らしてこう説明しました。

「もうちょっとだけ早く声をかけてくれれば良かったんだけどね。
　先客がいるから、あと一人分くらいしか付加はできないのよ」

そしてその一人分というのも、本当は自分の付加をする予定だった
時間を空けるということになるので無償とはいかないのでした。

「結構な額でしょ？ だから無理せずに明日きた方が・・・」

いいわよー、と続けようとしたアリーさん。
ですがキータの反応はアリーさんの予想の斜め上でした。


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